日本人が知らない
ちょっといい英語
                                 by 佐々木 隆

021「文化」
… culture is both a divisive and a unifying force.
(Samuel P. Hutington. The Clash of Civilizations)
文化は分裂を生み出す力であり、また統合をうながす力でもある。(鈴木主税訳)

〔出典〕 サミュエル・P・ハンチントン『文明の衝突』(1996)よりの一節。

〔英語の解説〕 both A and Bで「AもBも両方とも」。unifyは「統合する」という意味で、形容詞として unifying「統合する、統合をうながす」という意味で用いられています。

〔内容の鑑賞〕 ハンチントン『文明の衝突』は国際政治ではかなり知られている書物です。詳しい内容は 鈴木主税訳『文明の衝突』(集英社)に譲るとして、ここで重要なのは、はやり「文化」の捉え方でしょう。 文化が違うことで人や国が対立することはあります。違うからこそ対立するというのが一般的な考え方か もしれません。しかし、文化はまた違った性格も持ち合わせています。かつて分裂していた西ドイツと東ド イツがひとつになったことなども、文化のもつもうひとつの性格を全く無視して考えるわけにはいかないで しょう。
 しかし、私自身はa unifying force「統合する力」という表現には少し抵抗感を持っています。なぜなら、 統合するということは、一種、強制力を伴うからです。日本人的な発想からすれば、異文化を統合するの ではなく、違ったものとして、それを認め受け入れていく、むしろ「共生」という考え方になるのではないで しょうか。異文化を融合したり、統合するようというよりは、多文化を認めるのが、日本人的な発想のよう に思えます。しかし、西洋人の発想は「分裂」と「統合」ということなのです。





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