日本人が知らない
ちょっといい英語 U
                                 by 佐々木 隆

047「価値観」
The country is very small geographically, it is extremely poor in natural resources, and yet it has a huge population. The only resource it has of real value is the people who inhabit the islands. Thus the key to Japan's success must be the wisest possible use of its precious human resources. (Japan's Wasted Workers)
国土は非常に小さく、天然資源は極度に乏しい。それにもかかわらず人口は膨大である。真に 価値のある唯一の資源――それはこの島国に住む人たちである。従って日本の繁栄の鍵は、そ の貴重な人的資源を賢明に使うことにかかっている。(野村二郎訳)


〔出典〕 ジョン・ウォロノフ (John Woronoff)の『幻の繁栄・ニッポン』(1981)の「もはや安くない人件費」よ り。

〔英語の解説〕 the countryはJapan「日本」のこと。natural resources「自然の資源、天然資源」。
The only resource (that) it has of real value is the people… 関係代名詞 thatの省略。

〔内容の鑑賞〕 外国人から見た日本人観ではよく紹介される『幻の繁栄・ニッポン』よりの一節です。注 目すべきは、the key to Japan's success must be the wisest possible use of its precious human  resources. の一文でしょう。これはおそらくJapan's successを「〜の会社(組織)の繁栄(成功)」と置き換 えて考えた時、何が一番大事であるか、また、その会社(組織)で何が最も貴重であるかがわかってくる のではないでしょうか。いわゆる「物」なのか「者」なのかです。何をするにしても、最新の設備があろう が、どんなに立派な建物が建とうと、結局はそれを運営していくのは、人間だということです。私は「人材」 という言葉はあまり好きではありません。本当にhuman resourcesを重要だと考えるなら、「人財」と表現 すべきかもしれません。人は「財産」なのです。日本の武将で、立派な城を建てるのではなく、自分に仕え る武将こそ宝として考えていた人に武田信玄がいます。武田節の中で「人は石垣、人は城」という表現が あります。人を大事にするには、「情」をかけることであって、何かあればすぐに切り捨てれば、ただ「仇」 だけが残ります。もちろん、企業ともなれば、利益追求が目的となりますから、このあたりは難しくなるで しょうが、ますます、「人材」なのか「人財」なのかを問われる時代がやって来るのではと思います。





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