051 もったいない

 

Mottainai is a compound word in Japanese.  Mottai denotes the substance of an object and nai is a negation of it. Originally the word meant an object had lost its core substance.  Mottai also means something superior or majestic, or self-important. What is considered mottainai amounts to an act of denial of that "importance" and is used to underscore the preciousness of whatever is being wasted, lost or not used properly.

 But above all mottainai expresses deep regret for an irredeemable loss.  Everything that exists is a result of someone’s hard work and the time spent on it――it has history. Mottainai embodies an appreciation of that history from those on the receiving end.  That is why mottainai reflects a sense of guilt for the end-user when he/she lets things go to waste.

(出典 『ワンガリ・マータイさんが日本で見つけた言葉』)

 

(英語の解説)

denote「示す」、substance「内容、本体、本質」、object「物体」、self-important「尊大な」、superior「価値のある」、amount to「結局〜になる」、underscore「強調する」、above all「何よりも」、irredeemable「取り返しのつかない」、Everything that exists isthatは関係代名詞となるので、『存在するすべてのものは』といったことになる」、embody「具象化する」、appreciation「評価」、on the receiving end「受ける側になって」、a sense of guilty「罪悪感」、end-user「末端消費者」

 

(英語の内容)

「もったいない」という日本語は複合語(複雑な意味を合わせ持つ言葉)である。「もったい(勿体)」とは物の本体を表し、「ない(無い)」は物の本体の否定である。もともとは(元来は)その言葉(もったいない)は、物体がその物の本質を失うことを意味していた。また、「勿体(もったい)」には重々しい尊大なさまという意味もあり、それを「無し」にすることから、畏れ多い、かたじけない、むやみに費やすのが惜しいという意味で使われるようになった。

 しかし、何よりも「もったいない」という言葉には「努力」や「苦労」、「時間」や「歴史」など、せっかく積み重ねてきたことを「失ってしまう」「無にしてしまう」ことへの無念と哀しみがあるのだ。

 

 

(著者紹介)

ワンガリ・マータイ (Wangari Maathai, b.1940) ケニア出身。環境保護活動家。アメリカン・カンザス州立大学卒業。ピッツバーグ大学で修士号、ナイロビ大学で博士号(獣医学)を取得。東アフリカ初の女性博士となる。1971年にナイロビ大学初の女性教授。1977年にグリーン・ベルト・ムーブメントを設立。1986年にアフリカン・グリーン・ネットワークに改称。2002年国会議員となり、2003年から環境・天然資源副大臣を務める。200410月に「持続可能な開発、民主主義と平和への貢献」のため、環境分野の活動家として初めてノーベル平和賞を受賞。なお、2005214日から10日間、京都議定書関連行事出席のため来日した際に、日本語の「もったいない」という言葉に感銘を受け、この言葉を世界に広める決意をしたと言われている。

 

(もっと読みたい人の為に)

プラネット・リンク編『ワンガリ・マータイさんが日本で見つけた言葉』マガジンハウス、20056

 

 

次へ 目次へ トップへ