これまでのインターネット講座は連載方式で公開していましたが、今回はすでに書き溜めていたものを一挙にPDF化して公開。なお、今後さらに最新の資料や情報を加え、活字化を目指したいと考えている。ポップカルチャーは日々変化しており、完成したと同時に古くなるという性質のもので、常に過去のものとなる。すでに活字化してある拙著『クール・ジャパン マンガ/アニメの現状と課題について』(多生堂、2010年4月)、『日本文化ブームから文化外交まで』(イーコン、2011年5月)と合わせて読みいただくと周辺分野とのかかわりがより鮮明となります。目次は以下の通り。
プロローグ
第1章 「オタク」とは何か
1 オタクの誕生と発見
2 幼女連続殺人事件の影響
3 オタクの定義
第2章 オタクの変遷
1 オタク5世代
2 オタク第1世代 1960年代前後生
3 オタク第2世代 1970年代前後生
4 オタク第3世代 1980年代前後生
5 オタク第4世代 1990年代前後生
6 オタク第5世代 2000年代前後生
第3章 オタクツーリズム
1 旅行と観光
2 観光産業から観光政策へ
3 オタクツーリズムの誕生
4 コンテンツツーリズム
(1)北海道大学観光学高等研究センター文化資源マネジメント研究チーム編『メディアコンテンツと ツーリズム』(2009)
(2)『観光におけるサブカルチャー―コンテンツの活用に関する調査研究』(2009)
(3)増渕敏之『物語を旅するひとびと』(2010)
(4)『コンテンツ文化史研究』(第3号)(2011)
(5)山村高淑『アニメ・マンガで地域振興』(2011)
(6)『コンテンツツーリズム研究』(2011-)
5 消費者としてのオタク
第4章 オタク研究
1 『おたくの本』(別冊宝島104号)(1989)
2 岡田斗司夫『オタク学入門』(1996)
3 東浩紀『動物化するポストモダン』(2001)
4 大塚英志『「おたく」の精神史―1980年代論』(2004)
5 岡田斗司夫・唐沢俊一『オタク論!』(2007)
6 『2008 オタク産業白書』(2007)
7 江藤茂博『オタク文化と蔓延する「ニセモノ」ビジネス』(2008)
8 清水信一『ル・オタク フランスおたく物語』(2009)
9 榎本秋編『オタクの面白いほどわかる本』(2009)
10 Patrick W. Galbraith. The Otaku Encyclopedia (2009)
11 前島賢『セカイ系とは何か』(2010)
第5章 周辺概念
1 カワイイ
(1)「カワイイ」とは何か
(2)四方田犬彦『「かわいい」論』(2006)
(3)古賀令子『「かわいい」の帝国』(2009)
(4)櫻井孝昌『世界カワイイ革命』(2009)
(5)Thorsten Botz-Bornstein. The Cool- Kawaii (2011)
(6)「カワイイ」は日本の新しい美意識か
(7)ハロー・キティ
2 女オタクとアキバ
(1)闘う女の子
(2)腐女子
(3)萌え
(4)メイド・カフェ
(5)秋葉原と東池袋
(6)『下妻物語』(2004),『電車男』(2004), 『電波男』(2005)
3 ひきこもり
(1)「ひきこもり」とは何か(2)英語になった“hikikomori”
4 クール・ジャパンと日本文化ブーム
(1)井形慶子『日本人の背中』(2010)
(2)川口盛之助『世界が絶賛する「メイド・バイ・ジャパン」』(2010)
(3)櫻井孝昌『日本はアニメで再興する』(2010)
(4)東浩紀編『日本的想像力の未来―クール・ジャパノロジーの可能性』(2010)
(5)竹田恒泰『日本はなぜ世界でいちばん人気があるのか』(2011)
5 ゲーム
(1)日本のゲーム産業史
(2)『2010 テレビゲーム産業白書』(2010)
(3)『2010 オンラインゲーム白書』(2010)
(4)『デジタルコンテンツ白書2010』(2010)
第6章 オタク文化の展望
1 コンテンツ産業
(1)「コンテンツ産業」の定義
(2)「コンテンツの創造、保護及び活用の促進に関する法律」(コンテンツ産業振興法)
(3)『「文化産業」立国に向けて―文化産業を21世紀のリーディング産業に―』
(4)クール・ジャパン室
2 メディア芸術の国策化の波紋
(1)「21世紀に向けた新しいメディア芸術の振興について(報告)」
(2)教育とメディア芸術
(3)文化芸術振興基本法
3 メディア芸術とオタク文化
関連年表
切手になったオタク文化
注
エピローグ
章立ては同じであるが、内容的に上記のものを大幅に加筆修正し、改題したものである。具体的には「第5章 周辺概念」、「第6章 オタク文化の展望」を大幅に加筆した。特にボーカロイドは音楽産業とコンテンツ産業の融合した形であり、さらにYouTubeやニコニコ動画などでの公開により、ここ数年格段の人気振りを博している。その代表的なキャラクターが初音ミクである。アメリカでも3Dによる初音ミクのコンサートが開催されるなど、その人気振りはまさに世界的である。なお、「佐々木隆研究室パート2」において「オタク文化考」(2011年8月〜10月)もある。目次は以下の通り。特に緑字のところは追加等を多く行ったところである。
これまで日本のポップカルチャー、クール・ジャパン、メディア芸術、コンテンツ産業などを扱ってきたが、その中心はマンガやアニメが多かった。 日本のマンガとアニメの大きな特徴であるロボットと戦闘美少女に絞ってまめることとした。現在、これまでにまとめたオタク文化論から戦闘美少女 をさらにまとめなおすこと、また、ロボットについて「文学と科学」をテーマにここ数年取り組んでいたが、神話からマンガ/アニメを横断した内容 のものへバージョンアップして総合的にまとめる予定である。
プロローグ
第1章 文化としてのマンガ/アニメ
(1)マンガとアニメ
(2)海外のマンガ/アニメ評価
(3)日本のマンガ/アニメ小史
(4)マンガ/アニメの社会的評価
@マンガと図書館
Aマンガ/アニメと教育
Bマンガ/アニメと大学
第2章 アニメ・映画に見るロボット
(1)「科学」・「文学」とは何か
(2)「ロボット」とは何か
(3)文学/アニメとロボット
(4)ロボットの定義、再び
(5)科学と文学
第3章 戦闘美少女と戦隊もの
(1)戦闘美少女論
(2)戦闘美少女のアニメ史
(3)実写による戦闘美少女
(4)スーパー戦隊シリーズ
@「戦隊」とは
A戦隊もの
Bチーム編成の構成
C紅一点型の美少女からチーム編成へ
D冒険する少女から闘う少女へEチーム編成
F戦隊からスーパー戦隊へ
第4章 ゲームとデジタルコンテンツ
(1)日本のゲーム産業史
(2)『2010 テレビゲーム産業白書』(2010)
(3)『2010 オンラインゲーム白書』(2010)
(4)『デジタルコンテンツ白書2010』(2010)
第5章 ボーカロイド
(1)「ボーカロイド」とは何か
(2)初音ミク
(3)産業としてのボーカロイド
エピローグ
これまで公開してきた内容と一部重複するが、あらたにまとめ直すことと、最近の事例なども加えて再開したい。オタク文化とポップカルチャーの関係は一種コインの表裏にも匹敵する関係であるとも言っても過言ではない。キーワードはデジタル、コンテンツということになろうか。結論をあえて求めず、現状の分析と理解に努めたい。
第1章 オタク文化とポップカルチャー(2013年9月1日公開)
(1)『ポップ・カルチャー』(1999)と『現代文化論』(2011)
(2)「ポップカルチャー」の定義
(3)「オタク」の定義
(4)「オタク文化」の定義
第2章 ポップカルチャーと産業(2013年11月15日公開)
(1)ポップカルチャーと国の政策
(2)オタク産業、オタク市場
(3)ポップカルチャーと文化産業、コンテンツ産業
第3章 ポップカルチャーと教育(2013年11月15日公開)
(1)文化芸術振興基本法
(2)ポップカルチャーと大学
(3)ポップカルチャーと研究
第4章 オタク文化と世代(2015年6月15日公開)
(1)文化の定義
(2)オタク文化の継続性
(3)テレビ放送の定着
(4)オタク5世代
第5章 テーマパーク(2016年3月15日公開)
(1)「テーマパーク」とは
(2)テーマパークと教育
(3)ディズニーランド&ディズニーシー
@ディズニーランド
Aディズニーシー
(4)サンリオピューロランド
(5)ハウステンボス
(6)ユニバーサル・スタジオ・オブ・ジャパン
(7)テーマパークの今後の行方
(8)テーマーパークの研究
第6章 ポップカルチャーのイベント(2016年5月5日公開)
(1)コミックマーケット
(2)東京ガールズコレクション
(3)ニコニコ超会議
(4)ハロウィン
第7章 「萌え」とは何か(2016年5月5日公開)
(1)「萌え」の定義
(2)脳内恋愛とフェティシズム
(3)「萌え」とアイドル
(4)外国人の観たMoe
第8章 ポップカルチャーと英語(2016年5月15日公開)
(1)hikikomori
(2)絵文字
(3)コスプレ